踊り徒然

2006年5月はじめた日舞に加えて、バレエ、トレーニングのことなど

長唄「雨の五郎」

8/6水 坂東流体験、入門

8/11月 長唄「雨の五郎」

作曲十代目杵屋六左衛門、天保十二年(1841)七月

〈本調子〉 
さるほどに 曽我の五郎時致は 倶不戴天の父の仇 
討たんずものとたゆみなき 弥猛心も春雨に 
濡れてくるわの化粧坂 名うてと聞きし少将の

(花道から登場) 

雨の降る夜も雪の日も 通ひ通ひて大磯や 
廓の諸分のほだされやすく 誰に一筆雁のつて 
野暮な口説を返す書 粋な手管についのせられて 
浮気な酒によひの月 晴れてよかろか 晴れぬがよいか とかく霞むが春のくせ 
いで オオそれよ 我もまた いつか晴らさん父の仇 十八年の天つ風 
いま吹き返す念力に 逃さじやらじと勇猛血気
そのありさまは牡丹花に つばさひらめく胡蝶のごとく 
勇ましくもまた 健気なり

二上り〉 
藪の鴬 気ままに鳴ひて うらやましさの庭の梅 
あれそよそよと春風が 浮名立たせに 吹き送る 
堤のすみれ さぎ草は 露の情けに濡れた同士 
色と恋との実くらべ 実浮いた仲の町 よしやよし
孝勇無双のいさをしは 現人神と末の代も 
恐れ崇めて今年また 花のお江戸の浅草に 
開帳あるぞと賑しき